店舗内装工事の基礎知識|業者選びのポイントや費用相場を解説

店舗内装工事の基礎知識|業者選びのポイントや費用相場を解説

  • 「店舗内装工事って具体的にどんなものなの?」
  • 「店舗内装工事は、どんな業者に頼めばいいのかな?」
  • 「見積もりをとるときに注意することは?」

これらの疑問に答えるべく、千葉県を中心に店舗設計、内装、空間デザイン、施工管理を行っている商叶空間建築Laboが、店舗内装工事に関する重要な情報をお伝えします。

【この記事のポイント】

  • 店舗内装工事は店舗のイメージや機能性を左右する
  • 店舗内装業者を選ぶ際は、施工実績、物件選びのサポート、自社施工体制、アフターフォロー、担当者の信頼性などに注意する
  • 相見積もりをとるかどうかはメリット・デメリットを考慮して判断する

店舗内装工事に興味がある方や、気になっている方は、ぜひ最後までご覧ください。

店舗内装工事とは

店舗内装工事中の現場

店舗内装工事とは、店舗の内装に関わる下地処理や仕上げ、電気設備、照明、その他の設備などを含む工事のことを指します。

駆体を除いた部分すべてを含めるのが一般的で、新築・テナントのどちらでも発生します。

内装工事の範囲は店舗のタイプや用途によって異なりますが、店舗のイメージや機能性を最大限に引き出すために重要です。

店舗内装業者の種類

店舗内装工事の現地調査をする作業員

さまざまな店舗内装業者が存在しますが、大きく分けると以下の4種類になります。

  • 設計事務所・デザイン会社
  • 内装施工専門会社
  • リフォーム・リノベーション会社
  • 工務店

それでは1つずつみていきましょう。

設計事務所・デザイン会社

設計事務所やデザイン会社は建物の設計に特化した会社で、広い意味では個人建築家も含まれます。

施工と切り離して、自由度の高いデザインや設計で店舗をつくることができる点がメリットです。

その一方で、設計を決めた後で施工業者を別途手配する必要があり、手続きや費用が多めにかかる点がデメリットとなります。

また、オリジナリティが高いデザインや個性的なデザインをつくりやすい反面、こだわりによって施工費用が高くなる傾向があります。

一般的に、設計コンペを開催したり、設計が決まった後に入札で施工業者を決めたり、比較的大規模な店舗の内装工事で選ばれることが多いです。

内装施工専門会社

内装施工専門会社は、店舗の内装工事を専門に取り扱う会社です。

通常、デザインから施工までをワンストップで引き受けられる会社が多く、コストや手間を軽減しやすい点がメリットとして挙げられます。

また、店舗専門の内装施工会社は、専門知識が豊富で開業までのサポートやアドバイスを受けられる点も魅力の1つです。

ただし、会社によっては規模や得意分野が異なるため、アフターフォローが不十分な場合もあります。

したがって、選定する際には注意が必要です。

リフォーム・リノベーション会社

一般住宅のリフォーム・リノベーション会社のなかには、店舗に対応しているところもあります。

専門業者より店舗数が多いため、開業を考えている場所の近くで会社を探しやすい点がメリットです。

ただし、店舗施工の実績が少ない場合、専門的なアドバイスや対応が不十分なケースもありますので、注意しなければなりません。

工務店

一般住宅の新築やリフォームを取り扱っている工務店も、店舗の内装工事に対応しているところがあります。

工務店のメリットは、数が多いため見つけやすく、建物の建築に関する相談もできる点です。

ただし、規模によっては専属のデザイナーが在籍していないケースもあり、デザイン性が低いケースもあります。

また、リフォーム・リノベーション会社と同様に、店舗施工の実績が少ない場合、適切な対応やアドバイスが不十分となるケースがあるため注意が必要です。

店舗内装業者選びのポイント

「POINT」と書かれたブロックとノートとペン

店舗内装業者を選ぶ際にチェックするべきポイントは、以下のとおりです。

  • 開業する業態の施工実績が豊富か?
  • 物件選びをサポートしてもらえるか?
  • 自社施工体制であるか?
  • アフターフォローが強いか?
  • 担当者が信頼できるか?

それでは1つずつみていきましょう。

開業する業態の施工実績が豊富か?

店舗内装工事は、業態によって必要な知識や技術が異なります。

飲食店や物販店、オフィス、クリニックなど、それぞれの業態に合わせた設計や施工が必要になるためです。

また、許可申請のスムーズさや店舗づくりの自由度にも影響します。

したがって、開業する業態の施工実績が豊富な会社を選ぶことで、適切なアドバイスやデザイン性、コストダウンの工夫などが期待できます。

物件選びをサポートしてもらえるか?

店舗内装は、開業する物件によって費用や工期、仕上がりが大きく異なるため、物件選びもサポートしてくれる業者が望ましいです。

不動産部門も含めた業者なら、物件探しから見積もり・施工までワンストップで依頼でき、クオリティを高めることやコストダウンにもつながります。

自社施工体制であるか?

自社施工体制の有無は、店舗内装業者を選ぶ際に重要なポイントです。

自社施工体制とは、施工請負契約を結んだ会社が直接職人や施工会社を手配することを指します。

自社施工体制があることにより、コストやクオリティの面でより信頼性が高まります。

一方、建築業界では、窓口となる会社が下請けの施工会社に外注し、さらに孫請けの職人や施工会社に発注する多重下請け体制も少なくありません。

下請け体制は、余計な中間マージンや時間が発生し、連絡も煩雑になるため希望通りのデザインや仕上がりを得られない可能性もあります。

アフターフォローが強いか?

店舗内装は「オープンしたら終了」というわけではなく、定期的な補修やメンテナンスが必要になります。

したがって、完成後のアフターフォロー体制がしっかりと整っている業者が望ましいです。

例えば、設備が故障した際に対応が悪い業者だと、修理が終わるまで営業ができずに大きな機会損失につながる可能性があります。

担当者が信頼できるか?

店舗づくりでは打ち合わせを何度も重ねてクオリティを高くしていく必要があるため、担当者の信頼性は極めて重要です。

信頼できる担当者は、聞いたことにすぐに適切に応えるだけでなく、わからないことがあればしっかり調べて、的確な回答をしてくれます。

このような担当者が在籍している業者を選ぶことが重要です。

店舗内装工事の見積もりのポイント

店舗内装工事中の見積書と電卓を打つ手

店舗内装工事の見積もりをとる際のポイントを解説していきます。

相見積もりするべき?

店舗内装工事の見積もりを複数の業者から取るかどうかは、メリットとデメリットを考慮して判断する必要があります。

【相見積もりのメリット】

  • 適正価格を判断しやすい
  • 複数の提案を比較検討できる

複数の見積もりを比較することで、適正な価格を見極められます。また、複数の業者からの提案を受けることで、異なるアプローチやアイデアを得ることができます。

【相見積もりのデメリット】

  • 見積もりに時間と手間がかかる
  • 内容を正確に判断するのは難しい(会社によってプランが異なる場合)
  • 断わりにくい

複数の業者から見積もりを取るため、時間と手間がかかることがあります。

また、各業者のプランが異なる場合や提示された内容が曖昧な場合、正確な判断が難しくなります。

店舗内装のプランやイメージが明確で、信頼できる業者が存在する場合は、相見積もりせずに1社と綿密に連携してプランを煮詰める方が、クオリティの高い店舗をつくることができるかもしれません。

逆に、複数のプランを比較したい場合や相場がわからない場合は、相見積もりをすることで最適な選択肢を見つけられる可能性があります。

どの段階で費用が発生する?

費用が発生するタイミングは、依頼する会社によって異なります。

設計事務所やデザイン会社の場合、ラフプランまでは無料で、その後の詳細な設計に入る際に設計契約を結ぶことが一般的です。

例えば、設計のみで事業計画自体を中止した場合、その時点でかかった経費をデザイン料として精算します。

一方、内装工事専門業者や工務店の場合、見積もりまでは無料のケースが多いです。

店舗内装工事の費用相場

店舗内装工事中の費用相場を確認する施工業者

以下は店舗内装工事の費用相場です。

業態 費用相場(坪単価)
飲食店・カフェ 30〜90万円
美容室・エスタ 20〜90万円
クリニック 30〜70万円
ジム 40〜80万円

ただし、業態や店舗の状態、コンセプトや規模によって費用は大きく異なるため、あくまで目安としてご参考にしてください。

例えば、居抜き物件とスケルトン物件のどちらを選ぶかでも費用は大きく異なります。

また、同じ飲食でもカフェなどの軽飲食とレストランでも必要な設備や内装が異なるため、注意が必要です。

【関連記事】【2024年最新】内装工事のプロが明かす費用相場┃坪単価や業種別料金をわかりやすく解説

店舗内装工事から開業までの流れ

店舗内装工事後にオープンしたカフェ

店舗改装工事から開業までの大まかな流れは以下のとおりです。

  1. テナント物件または土地を探す
  2. 候補物件の内装工事の概算見積もりを取得する
  3. 物件を契約する
  4. 内装工事のプランを煮詰めて見積もり金額を確定させる
  5. 工事請負契約を結び、着工準備を行う
  6. 工事を施工し、検査を受ける
  7. オープン

開業までの多くの工程や手続きをスムーズに進めるためには、ワンストップ体制が整っている会社に依頼することが重要です。

まとめ

店舗内装工事の打ち合わせをする建築家

店舗内装工事は、店舗の内装に関する工事全般を指し、店舗のイメージや機能性を最大限に引き出すために重要です。

また、店舗内装業者の種類は大きく分けて4つに分けられ、それぞれの特徴やメリット・デメリットを把握して選びましょう。

「商叶空間建築Labo」では、物件探しから開業後のアフターフォローまでの一連のプロセスを一貫してサポートすることで、お客様のビジネスの成功を支えます。

弊社では、自社施工体制を整え、専門知識を持った担当者が常にお客様のサポートに尽力しています。

これにより、お客様のビジョンを実現するための確かな基盤を提供し、店舗開業を成功に導きます。

お問い合わせ┃商叶空間建築Labo