飲食店の開業に必要な届出と営業許可|消防署・保健所・警察署

飲食店の開業に必要な届出と営業許可|消防署・保健所・警察署

飲食店を開業する際には、様々な届出や営業許可が必要です。

しかし、必要な届出や営業許可は、業種や店舗の規模、従業員の雇用の有無などによって異なります。

そこでこの記事では、千葉県を中心に店舗設計、内装、空間デザイン、施工管理を行っている商叶空間建築Laboが、飲食店開業に必要な届出と営業許可について、以下の3つのカテゴリに分けて解説します。

  • 飲食店開業で必須となる届出
  • 業種によって必要となる届出
  • 従業員を雇う場合に必要な届出

これらのカテゴリを通じて、ご自身の飲食店に必要な手続きや届出について詳細に把握することができます。

飲食店開業で必須となる届出

飲食店開業で必須となる届出

まず、飲食店開業で必須となる届出をみていきましょう。

開業届(税務署)

提出先 税務署
期限 開業日から1ヶ月以内。罰則はありません。
必要書類
  • 個人事業の開業・廃業等届出書
  • 個人番号がわかるもの
  • 青色申告承認申請書(青色申告をする場合)

参照:国税庁「A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
参照:国税庁「A1-8 所得税の青色申告承認申請手続」

開業届とは

「開業届」とは、正式名称で「個人の事業主の開業・廃業等届出書」といいます。

個人事業主として飲食店を経営すると所得税が発生することから、開業届は国税に関する事務を行う税務署への提出が義務付けられています。

開業届の申請の流れ

開業届は、開業してから所轄の税務署に書類を持参・郵送するか、e-taxを利用して申請することができます。

e-taxを利用する場合は、専用のソフトウェアを使って申請書を作成し、オンラインで提出します。

開業届を申請する際の注意点

開業届の提出期限は開業日から1ヶ月以内とされています。期限を過ぎても罰則はありませんが、可能な限り開業と同時に速やかに提出しましょう。

また、開業届を提出する際には、「青色申告承認申請書」の提出についても検討しましょう。青色申告制度は最大65万円の特別控除があり、所得税の負担を軽減することができます。

飲食店営業許可申請(保健所)

提出先 保健所
期限 営業開始予定日の30日前までに提出
必要書類
  • 営業許可申請書
  • 営業設備の大要・配置図(2通)
  • 許可申請手数料
  • 登記事項証明書(法人の場合のみ)
  • 水質検査成績書(貯水槽使用水、井戸水使用の場合のみ)
  • 食品衛生責任者の資格を証明するもの(食品衛生責任者手帳等)

参照:東京都福祉保健局・保健所「新たに食品に関する営業を始められる皆さんへ」

飲食店営業許可申請とは

飲食店として営業するためには、法基準を満たした店舗内装や設備工事をして、保健所から許可を受ける必要があります。

営業許可は調理業、製造業、処理業、販売業の4種類があり、営業できる内容が異なります。

飲食店営業許可申請の流れ

  1. 事前相談:営業許可申請を行う前に、保健所の食品衛生担当に相談します。
  2. 申請書類の提出:営業許可申請書類を、保健所の食品衛生担当に提出します。
  3. 立入検査:施設が食品衛生法の基準を満たしているかを、保健所の職員がチェックします。
  4. 許可の交付:立入検査の結果、基準を満たしていると判断された場合、許可が交付されます。

飲食店営業許可申請の注意点

食品衛生責任者の設置や水質検査などが必要なこともあるため、事前に内容を確認して準備しておくことが重要です。

また、内装工事後に許可が下りないことが判明するとやり直しが必要となるため、事前相談を徹底しましょう。

防火対象物使用開始届(消防署)

提出先 消防署
期限 建物の使用を開始する日の7日前までに提出
必要書類
  • 防火対象物概要表
  • 案内図
  • 平面図
  • 詳細図
  • 立面図
  • 断面図
  • 展開図
  • 室内仕上表及び建具表等

参照:東京消防庁「新たにテナントを使用する皆様へ」

防火対象物使用開始届とは

防火対象物使用開始届とは、飲食店の開業に際して消防署に提出する必須の届出書です。

防火対象物使用開始届は、消防法に基づいて設けられた防火基準を満たしていることを確認するためのものです。

防火対象物使用開始届の流れ

  1. 事前相談:事前に消防署に相談し、必要な手続きや提出書類について確認します。
  2. 申請書類提出:準備が整ったら、消防署に防火対象物使用開始届の申請書類を提出します。
  3. 立入検査:消防署が提出された申請書類を審査した後、実際の店舗に立ち入り検査を行います。
  4. 営業許可書の交付:検査に合格した場合、消防署から営業許可書が交付されます。

防火対象物使用開始届の注意点

提出期限の厳守や、必要な防火設備・対策を整備することが重要です。

消防署からの指示や要求には必ず従うよう心がけましょう。

火を使用する設備等の設置届(消防署)

提出先 消防署
期限 設置する日の7日前までに提出
必要書類
  • 設置届出書
  • 図面類(配置図、付近見取図、各階平面図)

参照:東京消防庁「火を使用する設備等の設置(変更)届出書」

火を使用する設備等の設置届とは

火を使用する設備等の設置届とは、飲食店などで火を使う設備を設置する際に提出する必要のある届出です。

厨房設備だけでなく、以下の設備なども対象となります。

  • 温風暖房機
  • ボイラー
  • 給湯湯沸設備
  • 乾燥設備
  • サウナ設備
  • ヒートポンプ冷暖房機
  • 火花を生じる設備

火を使用する設備等の設置届の流れ

事前に消防署と相談し、必要な申請書類を提出します。

その後、消防署からの立入検査が行われ、検査合格後に営業許可書が交付されます。

火を使用する設備等の設置届の注意点

提出期限を厳守し、開業前には消防署の指示に従い、必要な防火設備や対策を整備することが重要です。

業種によって必要となる届出

飲食店開業の際、業種によって必要となる届出

飲食店の開業では、業種によって先ほどご紹介した以外の届出が必要になるケースもあります。特に、お酒を提供する場合や接客を伴う飲食店の開業は、次の届出の必要性を確認しましょう。

深夜酒類提供飲食店営業開始届出書(警察署)

提出先 警察署
期限 営業開始予定日の10日前までに提出
必要書類
  • 店舗の図面
  • 住民票
  • 保健所の飲食店営業許可証の写し
  • 物件の賃貸契約書
  • 物件の使用承諾書
  • 用途地域が分かる書類
  • 店舗のメニュー表など
必要な飲食店 バーや居酒屋など、深夜0時から午前6時までの時間帯に主に酒類を提供する飲食店。

参照:警視庁「深夜酒類提供飲食店営業(様式一覧)」

深夜酒類提供飲食店営業開始届出書とは

深夜酒類提供飲食店営業開始届出書は、深夜0時から午前6時までの深夜時間帯に主に酒類を提供する飲食店に必要とされる届出書です。

深夜酒類提供飲食店営業開始届出書の流れ

手続きは、以下の流れに沿って行います。

  1. 必要書類の準備
  2. 警察署への提出
  3. 審査および許可取得

詳細な手続きや提出書類については、管轄の警察署に確認することが必要です。

深夜酒類提供飲食店営業開始届出書の注意点

届出は営業開始予定日の10日前までに行う必要があります。

また、営業開始後も法令に違反しないよう、適切な営業管理を行うことが重要です。

風俗営業許可申請(警察署)

提出先 警察署
期限 営業開始予定日の10日前までに提出
必要書類 必ず必要な書類

  • 許可申請書
  • 営業の方法を記載した書類
  • 営業所の使用について権原を有することを疎明する書類(使用承諾書・賃貸契約書・建物に係る登記事項証明書等)
  • 営業所の周囲の略図
  • 営業所平面図
  • 営業所求積図
  • 照明設備等配置図
  • 建物平面図
  • 建物各階テナント状況図
  • 使用承諾書
  • メニュー表のコピー
  • 営業所の賃貸借契約書のコピー
  • 飲食店営業許可証のコピー

個人の場合

  • 誓約書、人的欠格事項に該当しないことを誓約する書面等
  • 住民票
  • 市区町村長の発行する身分証明書
  • 「成年被後見人」及び「被保佐人」の登記されていないことの証明書
  • 証明写真

法人の場合

  • 定款
  • 商業登記簿謄本
必要な飲食店 料亭、スナック、キャバクラなど、酒類の提供と、接待行為を伴う飲食店。

参照:警視庁「風俗営業」

風俗営業許可申請とは

風俗営業許可申請は、酒類の提供と接待を行う飲食店に必要な許可手続きです。

風俗営業許可申請の流れ

風俗営業許可申請の手続きは、以下の流れに沿って行います。

  1. 必要書類の準備
  2. 警察署への申請書類の提出
  3. 審査および許可取得

詳細な手続きや提出書類については、管轄の警察署に確認することが必要です。

風俗営業許可申請の注意点

「接待」の定義に注意しましょう。

歓楽的雰囲気を醸し出し、客をもてなす行為が接待とされます。風俗営業に該当するか否かは、接待の有無によって判断されます。

また、深夜酒類提供飲食店営業と風俗営業を同時に行うことはできません。

防火管理者選任届(消防署)

提出先 消防署
期限 選任後10日以内に提出
必要書類
  • 防火・防災管理者選任(解任)届出書
  • 選任される方の防火・防災管理講習修了証(手帳)(コピー可)
必要な飲食店 30人以上収容できる飲食店。

参照:東京消防庁「防火・防災管理者選任(解任)届出について」

防火管理者選任届とは

防火管理者選任届は、消防法第8条に基づき、建物の防火管理の責任者である防火管理者を選任した際に消防署に提出する書類です。

防火管理者の選任は、消防法に定められた規定に従って適切な資格を持つ者から行われます。

防火管理者選任届の流れ

防火管理者選任届の手続きは、以下の流れに沿って行います。

  1. 防火管理者を選任する
  2. 防火管理者選任届を作成
  3. 消防署へ提出
  4. 審査と承認

詳細な手続きや提出書類については、管轄の消防署に確認することが必要です。

防火管理者選任届の注意点

飲食店の場合、甲種・乙種防火管理者が必要です。

建物の規模や収容人数に応じて適切な防火管理者を選任しましょう。

防火管理者の選任後は、適切な消防計画の作成や避難訓練の実施など、防火管理の責任を果たすことが求められます。

従業員を雇う場合に必要な届出

飲食店開業の際、従業員を雇う場合に必要な届出

従業員を雇う場合には、以下の届出が必要になります。開業計画や従業員の募集と平行して、どんな準備が必要なのか把握しておきましょう。

届出 提出先 期限
給与支払事務所等の開設届出書 税務署 開設、移転又は廃止の事実があった日から1か月以内
労災保険加入手続き 労働基準監督署 保険関係が成立した日の次の日から10日以内
雇用保険の加入手続き ハローワーク 雇用した日の翌月10日まで
社会保険加入手続き 年金事務所 雇用開始から5日以内

飲食店の開業は物件選び・内装計画・届出の連携が重要

飲食店開業に必要な届出

飲食店の開業には、さまざまな手続きや届出が必要ですが、物件選びや内装計画との連携も重要です。

たとえば、店舗や内装工事を先に決めてから営業許可を申請する場合、基準を満たしていないとやり直しになる可能性があります。

管轄する消防署や保健所によって判断が異なることもあるため、施工会社を交えた事前協議が必要です。

さらに、深夜酒類提供や風俗営業許可は、用途地域で制限されることがあります。関連法規や必要な手続きを確認し、開業できる物件を見極めることが必要です。

また内装工事では、関連法規の基準を満たした店舗づくりが重要です。したがって、物件探しから相談できる施工会社に相談することで、スムーズな開業が可能になります。

商叶空間建築Laboは飲食店の実績が豊富で、物件探しから内装計画、各種届出までトータルサポートが可能です。

こちらの施工事例一覧から、飲食店の内装工事事例を絞り込み検索可能です。

▼施工事例一覧

ご興味がある方は、お気軽にぜひお問い合わせください。

お問い合わせ┃商叶空間建築Labo