飲食店を自己資金ゼロで開業するメリット・デメリット|資金調達方法も解説
- 「自己資金ゼロで飲食店を開業することはできる?」
- 「自己資金ゼロで飲食店を始めるなら、どんな方法で資金調達するべき?」
- 「自己資金ゼロで飲食店を開業するメリット・デメリットは?」
これらの疑問に答えるべく、千葉県を中心に店舗設計、内装、空間デザイン、施工管理を行っている商叶空間建築Laboが、飲食店を自己資金ゼロで開業するメリット・デメリットや、資金調達方法などをお伝えします。
目次
飲食店は自己資金ゼロで開業できる?
飲食店を自己資金ゼロで開業する方法はありますが、現実的ではない場合が多く、一般的には費用総額の3割を自己資金として用意することが推奨されています。
しかし、複数の資金調達方法を駆使すれば、自己資金ゼロまたは少額で開業できる可能性があります。
その場合は、必要な資金の相場やメリット・デメリット、そしてリスクを把握することが重要です(具体的なデメリット・リスクは後述します)。
飲食店の開業に必要な資金はどれくらい?
日本政策金融公庫の調査によると、飲食店の開業に必要な資金の平均値が1,027万円、中央値が550万円とされています。
店舗の規模や立地にもよりますが、おおよそこの程度の初期費用はかかるということになります。
ただし、500万円未満の資金で開業するケースも全体の4割以上を占め、さらに250万円未満の開業も年々増加傾向にあり、2023年度では20.2%に達しています。
また、業態や開業物件に工夫をすることで、開業費用を抑えることも可能です。
例えば、デリバリーのみのゴーストレストランなどの新たな業態も登場しています。
【参考記事】「2023年度新規開業実態調査」丨日本政策金融公庫総合研究所
自己資金ゼロで飲食店開業するメリット
ここでは、自己資金ゼロで飲食店を開業するメリットを解説していきます。
すぐに事業を始められる
自己資金ゼロで飲食店を開業する場合、すぐに事業を始められる点がメリットです。
飲食ブームのチャンスを逃すことなく、すぐに事業をスタートできるため、競合他社に先を越されるリスクを減らすことができます。
また、条件の良い空き物件を見つけた際に、逃さず契約を結べる可能性が高まります。
自己資金ゼロで飲食店開業するデメリット
ここでは、自己資金ゼロで飲食店を開業するデメリットを解説していきます。
返済負担が大きく経営を圧迫する
自己資金ゼロで飲食店を開業する場合、借入金額と返済額が増加します。
開業後も家賃や光熱費、仕入れなどのさまざまなコストがかかることや、客足が安定するまでに時間がかかることなど、負担は少なくありません。
このような負担を踏まえると、借入金額や返済額が大きくなることは経営を圧迫するリスクとなります。
資金調達の選択肢が少なくなる
自己資金ゼロで飲食店を開業した場合、民間の金融機関から開業資金を借りることがかなり難しくなります。
通常、金融機関は融資を行う際に、開業者に一定の自己資金を求めるためです。
開業後の経営失敗リスクが高い
自己資金ゼロで飲食店を開業する場合、開業後の経営に失敗するリスクが高まります。
例えば、十分な運転資金がない場合、経営が安定せず予期せぬ出費に対応できないことや、支払い遅延による信用の失墜といったリスクがあります。
飲食店を自己資金ゼロで開業する方法
ここでは、自己資金ゼロでも資金調達ができる可能性がある方法を紹介していきます。
日本政策金融公庫の融資を受ける
自己資金ゼロでも、日本政策金融公庫の新創業融資制度を利用することで、融資を受けられる可能性があります。
自己資金要件はありますが、例外として自己資金ゼロでも融資を受けられるケースがあります。
投資家を探して出資してもらう
個人やエンジェル投資家とのマッチングサービスを活用し、出資を受けられる可能性があります。
ただし、事業計画や経営ビジョンが厳しく審査されるため、難易度は高いです。
また、経営方針を出資者に決められてしまい、思うような店舗やサービスを構築できない可能性もあります。
クラウドファンディングを利用する
クラウドファンディングを活用することで、資金調達ができる可能性があります。
クラウドファンディングのサイトでプロジェクトページを作成し、プロジェクトの内容や目標金額、リターンなどを設定後、支援者から支援金を集めるのが一般的な流れです。
魅力的なコンセプトやクオリティの高いメニューがあれば、多くの支援金を得られる可能性があります。
親や友人から借りる
金融機関ではなく、親や友人から直接借りることも1つの資金調達方法です。
金融機関ではないため、自己資金ゼロでも借りられる点がメリットですが、親から借りる場合は贈与とみなされる可能性があるため注意しなければなりません。
借用書を作成して利子を取り決めることで対策をするか、贈与税の非課税枠などを活用することが求められます。
親族から贈与を受ける
飲食店の開業を応援してくれる親や親族がいる場合、贈与してもらう方法もあります。
年間110万円以上の贈与には贈与税がかかりますが、「相続時精算課税制度」のように、非課税で贈与することも可能です。
カードローンや消費者金融で借りる
カードローンや消費者金融の場合、資金を借りられる可能性は高いです。
しかし、金利が高く金額も少ないためハイリスクな方法であり、基本的におすすめはしません。
突発的な出費に対応する場合や、すぐに返済できる見込みがある場合に限り、検討しましょう。
飲食店の開業費用を抑える方法
業態や物件を工夫することで、開業費用を抑えることが可能です。
これにより、資金調達のハードルが低くなり、少ない自己資金でも開業できる可能性が高まります。
小さい店舗で開業する
小規模な店舗を選ぶことで、物件取得費用や家賃、ランニングコスト、内装工事費用を抑えることができます。
ただし、スペースが限られているため、効率的なレイアウトや販売方法を考える必要があります。
店舗なしで開業する
キッチンカーなどの移動販売やテイクアウト専門の業態にすることで、店舗を持たずに開業費用を抑えることができます。
この場合、売上が安定してから、資金をためて店舗を構えることも可能です。
間借りする
夜営業のみの居酒屋をお昼だけ借りるなど、既存の店舗のスペースを借りる「間借り」をすることで、初期費用を抑えられます。
間借りの場合、賃料や光熱費などのランニングコストを共有するため、費用負担を軽減できる点もメリットです。
居抜き物件を選ぶ
居抜き物件とは、前のテナントが利用していた設備や内装などが残っている物件です。
居抜き物件を選ぶことで、内装や設備投資費用を大幅に削減することができます。
また、工事期間が短く済むため、開業までの時間を短縮できる点もメリットです。
【関連記事】スケルトン物件のメリット・デメリット|居抜き物件との違いを解説
自宅開業する
自己所有物件であれば、店舗併用住宅にすることで、物件の取得費用や家賃を抑えることができます。
ただし、改修費用はかかるため、事前に慎重な計画が必要です。
補助金や助成金を活用する
地方自治体や国からの補助金・助成金を活用することで、開業費用の一部を補填することができます。
補助金・助成金は返済の必要がないことや、自由度の高い経営方針を立てられることなどのメリットがあります。
飲食店で使える補助金をまとめた記事がありますので、あわせてご覧ください。
【関連記事】飲食店で使える補助金まとめ【2024年】要件・補助率を分かりやすく解説
まとめ
自己資金ゼロで飲食店を開業することには、メリットもありますが、デメリットも見逃せません。
しかし、飲食店開業を成功させるために必要なものは資金だけでなく、プロの適切な支援やアドバイスも重要です。
商叶空間建築Laboでは、飲食店の開業に関するさまざまな相談や、デザインから施工までのトータルサポートを提供しています。
お客様のビジョンを具現化し、成功に向けて最善のお手伝いを致します。
是非、お気軽にお問い合わせください。